当方が作出するパフィオの多くは、
人目を惹く大きさや派手さこそないものの、
皆様の生活環境にマッチし易く、株もさほど場所をとらないのがウリです。
冬の寒さに対しても心配なことはなく、早い期間に芽数を殖やし、
比較的容易に花芽をつけてくれます。
テーブルの中心に置いて、
ひと時の癒しを感じられるグリーン・マスコットの創作を
今後も続けてまいります。

新着情報/イベント予定

★パフィオフォーラム・ひぬま2023★
◎日時 2023/4/22(土) ◎場所 いこいの沼ひぬま ※詳しい内容についてはInstagramにてお知らせいたします。

★春のオープンハウスセール★
◎日時 2023/4/23(日) ◎場所 望月蘭園店舗

★第62回 蘭友会らん展 in Sunshine City★
◎日時 2023/6/8(木)~6/11(日)
◎場所 池袋サンシャインシティワールドインポートマートビル4F 展示ホールA

望月蘭園のパフィオ

どんな蘭屋さんなの?

涸沼のほとりにある少し風変りな
蘭園について簡単に
ご紹介いたします。

先代 望月 明(前列中央)

当園は昭和48年2月、現在の地に先代・望月明が開業したのを興りとする洋蘭育種農園で、今年で創業45年を迎えます。
彼が蘭に興味を持ったのはそれより遡る昔、戦後間もない中学生くらいの頃で、門弟として徳川圀斉氏に師事して以来、未知の種を自らの手で作り出す、摩訶不思議な洋ランワールドに魅了されて行きました。とりわけ彼が夢中になったのは、パフィオペディラムという一風変わった趣の蘭です。
東南アジア一帯に分布を広げ、世界中にその愛好家を持つと言われる地生蘭の一つですが、彼がこの蘭を選んだのには、師匠筋であった徳川氏が、パフィオペディラム・白系花改良の国内先駆者であったことと無関係ではありません。まさにパフィオペディラムとの出会いが当方の歴史の幕を開けたのです。
2010年に望月明は世を去りましたが、その遺志を継ぐ交配は今日でも行われており、近年は南米で栽培・開花させたものがヨーロッパ市場に出荷されるまでになりました。その育種の中心は「モーディータイプ」と呼ばれる単花系種です。
1980年代以降、アメリカで盛んになったスタンダードをいち早く取り入れ、当園の大きな流れとなりました。今後の展開にご期待を頂ければ二代目としてこの上ない幸いに存じます。

Albion
`Lord Aber Conway'
アルビオン
‘ロード・アバー・コンウェイ’
Kagemusha
`Mogaribue'
カゲムシャ
`モガリブエ‘
Saeka Mochizuki
`Matsumoto'
サエカ・モチヅキ
’マツモト‘
Coconut Western
`Superior’
ココナツ・ウエスタン
‘スペリオール’
Double Venus
`Trickstar’
ダブルヴィーナス
`トリックスター'
Ayutthaya
`Little Slam'
アユタヤ
`リトルスラム'
gratrixianum var.
gratrixianum
`Select’
グラトリキシアナム var.
グラトリキシアナム‘セレクト‘
Honey Cocktail
`Spring Billow'
ハニー・カクテル
`スプリング・ビロー'

Paphiopedilum

pickup パフィオペディラム

パフィオ iro-iro

望月蘭園おすすめイチ押し
ちょっと気になるところあるパフィオたち

Paph.haynaldianum
`Red Type’
ハイナルディアナム
‘レッドタイプ’
Wonder Lake Fire
`Stormy Love’
ワンダーレイクファイヤー
‘ストーミー・ラブ’
Aokage
`Shojumaru'
アオカゲ
`ショウジュマル'
Jimmy Rosalio
`Hellenicus’
ジミーロサリオ
‘ヘレニクス’
Jungle Fever
`Quantam Jump'
ジャングルフィーバー
‘カンタムジャンプ’
venustum
`Spacex'
ベナスタム
‘スペースエックス'

パフィオペディラム
について

どんな蘭なの?
食虫植物と間違われやすい、
ちょっとおかしな風貌のラン、でも奥は深い…。

Genus Paphiopedilum
アジア大陸南部(北限はヒマラヤ、南限はインド)からスマトラ、マレーシア、インドネシア、ボルネオなど、赤道を中心とした熱帯アジア、さらに、パプアニューギニアを超えてソロモン諸島にまで分布する地生ランの一種で、今日現在で約160の原種が確認されている、蘭科五大属の一つです。
唇弁の形がスリッパに似ているため、Lady’s Slippers(貴婦人のスリッパ)と呼ばれることもあります。
カトレヤ、デンドロビュームなど、俗に着生ランと呼ばれるもの(Epiphytic Orchids)と違い、株にバルブを持たず、地面に根を張って地中から水分や栄養分などをもらうのが地生ラン(Terrestrial Orchids)の大きな特徴です。
地生ランとしてよく知られているものにはエビネや紫蘭、トキ草などをあげることができます。
パフィオペディラムの仲間は世界中にあります。中南米に分布するフラグミペディウム(Phragmipedium)、セレニペディウム(Selenipedium)ばかりでなく、東アジアからヨーロッパ、北米にかけて分布するシプリペディウム(Cypripedium)も近戚関係の属です。これは日本にもあるクマガイソウ(Cyp. japonicum)、アツモリソウ(Cyp.macranthum)と同じです。

アツモリソウ亜科の仲間

Phrag. Dominianum
`Veitch'
フラグミペディウム
ドミニアナム
`ヴィーチ'
Cyp.
tibeticum
シプリペディウム
チベチカム
Selenipedium.
aequinoctiale
セレニペディウム
エキノクチアレ
※画像提供:唐澤耕司博士
Mexipedium.
xerophyticum
メキシペディウム
ゼロフィティカム

Paphiopedilum
History

パフィオペディラム小史
意外と古い、
我々人類とのかかわり。

パフィオペディラムの人工交配が始まったのは19世紀中ごろ(日本での幕末期)の英国です。短い間で盛んにおこなわれ、今日につながる基礎がつくられました。
オーキッド・ハンターによって採集されて来た中でも、特に耐寒性に優れていたのが insigne や spicerianum など南アジア産の原種です。これらから生み出された多くの因子が、後に改良されて整型花と呼ばれる完成形となりました。
1970年代になると、アメリカでもパフィオペディラムは栽培されるようになり、さらなる進化を遂げます。それらが少しずつ日本にもたらされ、1990年代初頭にはパフィオペディラム育種国として、世界のトップに近い位置まで登り詰めました。21世紀を迎えた今、台湾やタイも巻き込んで新しい試みは続けられ、多種多様な交配は続々と結果を生み出しています。

niveumニウェウム
1960年ごろ

カタログ用に描かれた細密画
パフィオペディラムティテュス
J・N・フィッチ画1901年
※画像提供:唐澤耕司博士

パフィオペディラムの
栽培について

How to grow your own
マイスターがこだわる、
パフィオ栽培のけっこう大事なポイント

暗い場所が好きと
いうわけではない

パフィオペディラムの故郷について調べると、多くは樹木の枝葉で光の遮られた、湿度の高い水はけの良い場所、と書かれています。しかし棚下などに一年中通して置くと花付きを極端に悪くしてしまうので注意。十分な日照の確保できる、目の届く場所を選び、季節ごと遮光ネットを交換したりして光を調節する、というのが基本です。

熱帯植物では
ない

多くの場合、洋蘭とは常時高温下に置かなくてはならないものと思われがちですが、自生地では昼夜の気温差が常にあります。絶えず高温というのはむしろ不自然で、株にとっても休む間がなく、ストレスにつながります。夜温の下がらない現象、いわゆる熱帯夜は大敵で、夏場に風通しの良い場所に置くことはもちろん、夕方に打ち水をするなど、工夫が必要です。

常に
人に近い所で

ごく一部の高温タイプを除いて、パフィオペディラムの好む温度は「中低温」です。これは10℃~15℃が目安になります。8℃くらいで花をつけるタイプも多くありますが、冬季の置き場所としては玄関や廊下、バスルームなどでなく、リビングなど常に人の要る場所を選ぶようにします。冬は生長期ではないため、日照や通風よりも避寒が優先されますが、暖房による過乾燥にも注意するようにします。

通水作業は
植え込み材から

パフィオペディラムは水が好きだとよく言われますが、それと同じくらい乾燥も好きで、なおかつ植え替え好きです。それは地生ランであることと関連しています。水捌けと水保ち、その両方に考慮した植え込み材選びが肝要で、常に湿っているような材料はむしろダメなのです。その上で思い切った通水作業ができるように環境を整えることも忘れずに。鉢にたっぷり水を通した後は、適度な陽と風に当て、早く乾かすことに留意します。

肥料に
頼り過ぎない

温度や光不足から来る生育の遅れを、肥料で補おうとする人が多くおります。しかし良くも悪くも、肥料から植物に何かする、ということは実は多くありません。環境に順応し、自分の力だけで生育できるようになった植物が、その過程で一時的に利用するのが肥料です。株本体に力があって「上向き加減」であるのを確かめ、適期(主に春~初夏)に適量を与えるだけで十分な施肥効果はありますので、あまり頼り過ぎないようにしましょう。

植え込み材選びは
自分本位で良い

パフィオペディラムほど、植え込み材に何を用いるかで意見の分かれるランはありません。しかしどれがベストというのはなく、ミズゴケやバーク、杉皮など、どんな材料でも基本を守りさえすれば、まずまずの結果を出すことができます。最大のポイントは自分にとっての使い易さです。次に置き場所と、水管理の習慣に材料が合っているかを確認します。極端に乾きにくい、また逆に乾燥が早いという材料は見直さなくてはなりません。

植え替えではなく
材替え

パフィオペディラムの場合、全ての植え込みは次に交換するまでの仮の状態のようなもの。地生ランである以上、株が移動する習性を持って生きています。そのため、完結した植え込みというのはありません。植え替えはむしろ「材替え」と呼ぶべきで、適度なタイミングを見計らって植え込み材を交換し、株を新鮮な環境に移動させてあげる必要があります。

何をしているの?

パフィオフォーラム・ひぬま
について

どんなことをしているの?
2020年に開催25年を迎えるパフィオ愛好家の集い

Paphio Forum HINUMA
Slipper Orchid Lover's Meeting

望月蘭園の看板イベントと言っていい「パフィオフォーラム・ひぬま」は、正式名称をSlipper Orchid Lover’s Meeting(略称:SOLM)といい、1996年9月に発足しました。当時、アメリカ・ミネソタ州で開かれていた「International Symposium on the Slipper Orchids」の日本版という位置づけでしたが、現在では同業者有志を招いてのオープンハウスセールや前夜祭、参加者懇親会、JOGAメダル審査会までを併催する、国内でもよく知られた春の洋蘭イベントとなっています。
特別な参加資格を設けず、発会当初から一貫して非会員制、毎年4月に「いこいの村涸沼」=茨城県鉾田市=を会場としたシンポジウムを行い、プロアマの別なく毎年100人前後が臨席します。内外からスリッパー・オーキッズに関する専門家を招き、セッションを通じて見識を高めるばかりでなく、愛好家相互による意見交換や親睦をはかる目的でたいへん有意義な場であると言えます。
そもそもは学会としてのアカデミック性、メダル審査会で高得点入賞花を輩出するなど、限られたマニア目線でのレベル向上を目指すものでした。事実、23年の間に北米、南米、ハワイ、西ヨーロッパ、東アジア各国から講演者を招き、その都度斬新で刺激のある情報がもたらされてきました。また、JOGAメダル審査も都合15回開催され、合計認定数は236点、うち9点がGM(ゴールドメダル)です。ミネソタの‘本家’と肩を並べられる域には十分達したと見ていますが、愛好家層の恒久拡大を目指すにはまた別な努力が必要と感じるようになり、特別な知識や栽培技術を持たない「入口に立つ人」に寄り添える催し=ランを通じての豊かな生活文化交流の場=にしようと、グランドデザインの変更をはかっているところです。

お問合わせ

  • 029-292-1534
    Fax.029-292-8768
  • knobs@msg.biglobe.ne.jp

アクセス

東京方面からのアクセス
①岩間IC料金所を出て信号を左折する(水戸方面左の看板あり,その道が県道43号)
②県道43号を直進すると国道6号に突き当たる。その交差点“小幡南交差点”を水戸方面へ左折
③“茨城東高校北”の信号を過ぎてから“鉾田・小鶴・奥谷”左折の看板どおりに左折して陸橋でR6を渡る
④陸橋を通過して二つ目の信号(奥谷交差点)を左折
⑤奥谷交差点左折してから5軒目右に望月蘭園が道沿いにあります。(NTTの隣)